以前投稿したこちらの記事「リーデル シングルモルト用グラス ヴィノムとソムリエはどう違う?」を読んでくださった方から以下のようなご質問をいただきました。
リーデルのウイスキーグラスに興味があります。ウイスキーのシングルモルト用グラスはブレンデッドにはどうですか?もしブレンデッドに合うリーデルのグラスでお勧めがあれば教えてください。
当ブログをご覧いただいた方からのお問い合わせ、大変ありがたいです。
おそらく私が上記の記事でリーデルシングルモルトは”ライトなタイプのウイスキーだと香りがぼやける印象”や”ヴィノムコニャックの方が香りをしっかり感じることができた”などと書いたためそう思われたのだと思います。
ヴィノムシングルモルトはブレンデッドにはどうか?ですが、ブレンデッドウイスキーをストレートで飲むということを前提として、結論から言わせていただきますと、私の見解では全く問題ありません。
「ブレンデッドはストレートではなくロックで飲むもの」という意見も聞いたことがあります。もちろんロックが合うものもありますが、私はストレートも全然アリだと思っています。飲みたいように飲むのが一番です。
少し余談ですが、以前ウイスキーはハイボールしか飲めない妻とオーセンティックバーで山﨑の18年(当時はマッサン前で現在ほど高くはなかった)を注文したとき、私はストレート、妻はハイボールを注文したのですが、それを聞いていた他のお客さんから、「山﨑18年のハイボールなんてあるの?」と茶々を入れられ嫌な気分になったことがありました。そのときバーテンダーさんは「確かにストレートをおすすめしますが、飲みたいように飲むのが一番ですよ。」と言ってくれたことが今でも忘れられません。
話を元に戻して、リーデル公式のスペックとしては、ヴィノムの方は「ブドウ品種:シングルモルト」となっています。一方でソムリエシングルモルトの方は「シングル・モルト・ウイスキー、モルト・ウイスキー、ウイスキー」となっていることからシングルモルトに限定していません。ウイスキー全般を指していますので、大丈夫です。
おすすめは?
ご質問は”リーデルのグラスで”ということですから、私が持っていて実際に使用している中から上げると、ヴィノムコニャック、ヴィノムテキーラ、ヴェリタススピリッツあたりです。ヴィノムテキーラは他の2客に比べて30gほど重みがありますので好みが分かれるところだと思いますが形状的にはアリです。
値段を全く気にしないならソムリエコニャックxoかソムリエコニャックvsopも選択肢に入りますが、初めてのリーデルだったらヴィノムやヴェリタスシリーズで充分満足できるはずです。
ソムリエ・コニャック・XO ソムリエ・コニャック・VSOP
それぞれの違い
ソムリエコニャックxoはグラスの厚みが0.8mmと極薄ですが、ソムリエコニャックvsopは0.85mmと意外にもハンドメイドのソムリエシリーズとしてはそれほど薄い方ではありません。ただ私が持っているものがたまたまそうなだけで、ハンドメイドゆえの単なる個体差である可能性は否定できません。
写真だとお分かりいただけるかわかりませんが、慣れると0.1mmでも見た目ではっきりと違いが分かるようになります。
余談ですが、私はリムがストレートか反り返ったタイプであれば口をつけると大体何ミリか言い当てることができるようになりました(笑) 内側にすぼまったタイプのものはちょっと自信がありません。
この中から”ブレンデッド用”として1客選ぶのであれば、ヴェリタススピリッツかヴィノムコニャックですが、値段的に1,000円程度しか違いがないので、グラスの薄さを優先して私ならヴェリタススピリッツです。
実はこのヴェリタススピリッツは非常に優れたグラスで、私はリーデルのグラスの中でも特に気に入って使っています。私はリーデルのグラスは30種類以上所有していますが、その中でも総合的な評価はかなり上位です。
理由としては厚みが0.85mmとマシンメイドでありながら驚異的な薄さに仕上げられていること。それからボウル部分の形状が上位機種のソムリエvsopとほとんど変わらないということです。
amazonなどではヴィノムコニャックよりもヴェリタススピリッツの方が安く買える場合があります。
一見するとステムが長過ぎのように見えますが、ボウル部分がそれほど大きくないことと、プレートがやや大きめなので意外と安定しています。あと個人的な好みの問題ですが、ステムが長い方がエレガントな感じがします。
グラスの薄さの重要性は他の記事でもしつこいくらい書いていますので、そちらをご覧いただければありがたいです。
ちなみに重さはヴィノムコニャック、ヴェリタススピリッツどちらも110gくらいでした。ただし、注意点としてはヴェリタススピリッツはステムが長いのでヴィノムコニャックに比べて若干取り回しに気を使います。あと洗うときも他の食器と一緒ではなく単独で洗いたいです。他の食器がシンクに溜まっているとぶつけてしまう恐れがあります。
ヴェリタススピリッツはヴィノムコニャックに改良を加えたとされていて、上の写真のようにボウル部分の形状はそっくりです。
それからソムリエコニャックVSOPもそっくりです。
容量について公式ではヴィノムコニャックが190mlでヴェリタススピリッツは152ml、ソムリエコニャックVSOPは160mlとなっていますが、実際に測ってみたら3客とも170mlでしたので、公式の間違いではないかと私は思っています。少なくとも30ml~40mlも違うことはないです。
つまり上の3客のボウル形状はほとんど一緒と言えます。
違いをざっくり言うと
- ステムの長さ
- グラスの薄さ
- マシンメイドかハンドメイドか
といったところです。
使い分け
一般的に食後酒とされるようなボディがしっかりしたウイスキーやアイラモルト、カスクストレングスなどの個性の強いタイプはヴィノムシングルモルトで、食前または食中に飲まれるような比較的穏やかなものはヴェリタススピリッツという風に使い分けするとすごく楽しめます。お酒をより一層楽しむためには雰囲気と自己満足がとても大事です(笑)
リーデル以外で選ぶなら?
あえてリーデル以外も上げるならコスパに優れる「グレンケアン ブレンダーズ モルトグラス」や「ツヴィーゼル バースペシャル」なども取り回しが良いので私は普段から使っています。
ただ上記の2客はリムがストレートになっていることと、重さはリーデルに比べるとありますので、このあたりも判断材料にしていただきたいところです。私個人としてはリムは反りかえっている方がウイスキーには向いていると思っています。
こちらのサイトはグラスについてかなり深く追求しているので初心者からマニアックな方まで広く楽しめると思います。私も色々勉強させていただきました。
グラスの手入れは大変気を遣うと思いますが、基本私はグラスは自分で洗っています。万が一割ってしまっても自己責任ですから。
その点リーデルよりも頑丈で、値段的にも2,000円~3,000円台で買えて、気軽に使える上記2点はコスパの点で重宝しているというわけです。
まとめ
これらは全て私自身が実際に使用した経験からおすすめしているものですので、探せばもっと良い物が見つかる可能性は十分あると思います。しかし自分が使ったことがない物を無責任におすすめすることはできませんので、上記の1客(ヴェリタススピリッツ)を今回いただいたご質問の回答とさせていただきます。
別の機会にロックやハイボールにおすすめのグラスも紹介したいと思いますので、良かったらそちらもご覧ください。
簡単にまとめるつもりでしたが、伝えたいことが多く結果的に長くなってしまってすみません>_<
ぜひ参考ににしてみてください。
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